厚みと意外性 [読書]

前作と比較にならないぐらい駄作
前作が銀行内部を見事に描いており、続編を読んだが、これはとんでもなく駄作だ。
ただ無駄に文字を書いているだけである。
ここのエピソードに深みがまったくなく、つながりもない。
主人公の個人的なエピソードも盛り込まれているが、表層だけで、本論となにも関係がない。
ちょっとこれはひどすぎるのではないですか?
厚みと意外性
金融機関のみならず企業内部でよくありがちな、意思決定での迷いや、関係者のかかわりの有り様が、機微細かく描かれている点が、存分に楽しめます。
「金融腐蝕列島」「呪縛」に引き続き、キャラクターの個性をよく際立たせているので、これも、一気に楽しめながら読める作品になっています。
ただ、どうも、主人公竹中を、多少の人間臭い煩悩や迷いはあるものの、また支店に出されるものの、すんなりと成功し過ぎているような気がして、なりません。
児玉にまことに信頼され、竹中に情報が集まり、経営陣の信頼を得るという流れも、うまく行き過ぎという感じがし、前作、前々作に比べると、厚みと意外性を損っているような気がします。
読み手が、前作や前々作に比べて、それだけ、さらなる興奮を求めているからかもしれませんが。

文庫であれば・・・
金融腐蝕列島シリーズの中ではダントツに内容が薄いと思います。
不良債権問題を描いているというより、少しカッコいい主人公が前向きに進んでいく、といったありがちな筋書きになっており、私は、積極的にはお勧めしません。
再生〈上〉―続・金融腐蝕列島 (角川文庫)高杉 良


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